留学手記
重城健太郎
留学先:St.Elizabeth’s Medical Center, Tufts University, Boston (2005-2007年)
留学先:Feinberg Cardiovascular Research Institute, Northwestern University, Chicago (2007-2009年)
留学先:Feinberg Cardiovascular Research Institute, Northwestern University, Chicago (2007-2009年)
医師歴4年目という極めて早い段階で、再生医療のbasic researchを学びに、アメリカのBostonにあるSt.Elizabeth’s Medical Centerに留学する機会をいただきました。ところが、まだ右も左もわからないまま、1年後にBossがChicagoに異動することになり、帰国するわけにもいかず新天地で再出発することになりました。ラボの立ち上げというとても貴重な体験をすることができ、4年間という長い期間になりましたが仕事をまとめることができました。英語力の向上はもちろんのこと、ScienceやCirculationといったhigh impact journalの査読の機会を頂いたり、世界中にドクターや研究者の仲間ができたりといったおまけが付いてきましたが、一番の収穫は ’something differentを’という自身のメンタリティを獲得できたことだと思っています。これは臨床の現場に戻ったいまも、疾患に対するアプローチの基礎となっています。
Team Regenerates (Figure)
新井光太郎
留学先:Columbia University Medical Center, Division of Cardiology
米国Columbia University Medical Center, Division of Cardiologyの心エコーラボで本間俊一先生のもと、2年間学ばせて頂きました。留学当時のColumbia大学では現在日本でも行われている大動脈弁狭窄に対する経カテーテル的人工弁置換術(TAVI)の臨床試験と今後日本に導入されることが予想される僧帽弁逆流に対する経カテーテル的クリッピング術(Mitra-Clip)の診療試験が進行中でした。いち早くこれらの心エコー図を用いた評価を間近に見ることが出来たことは大変貴重な経験になりました。また他のラボとの交流も盛んであったため、基礎研究の心エコーや、High Intensity Focused Ultrasoundを用いた心筋焼灼の実験などにも携わることが出来ました。留学の2年間を通して、米国の発想の豊かさを感じるとともに日本の医療の良い点もたくさんあることに気付いたことは私にとって貴重な財産であると考えています。是非若い先生方にも国内外を問わず一度外から自分達を見てみることをお勧めします。
芹澤直紀
留学先:国立病院機構岡山医療センター (2011年7月~2012年3月)
国内留学の経験から
(2011年7月~2012年3月、国立病院機構岡山医療センター)
私は東日本大震災の影響が冷めやらぬ2011年7月から2012年3月まで岡山県岡山市にある岡山医療センターに国内留学させていただきました。女子医大では重症心不全や睡眠時無呼吸症の診療に携わっていましたが、心不全は左心系のみで語られることが多く、本来左心と同様に右心系や肺循環は非常に重要なはずですが、分からないことも多く、それに着目した論文もほとんどありませんでした。同時期に重症肺高血圧症例を苦労しながら治療した経験から、右心系や肺循環を理解すれば、重症心不全治療をよりよくできるのではないかと考えていました。海外含めた留学を模索していましたが、そのような観点から血行動態を語れる先生がなかなか見つからず、その頃、肺高血圧症の世界的権威である岡山医療センターの松原広己先生の講演を拝聴する機会があり、純粋に肺循環や右心が悪い症例の臨床や研究に携わりたいと考え、翌年から国内留学させていただきました。
岡山では世の中にこんなに肺高血圧症がいるのかというほど患者さんを診させていただき、また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療も飛躍的に症例数と成績が伸びた時期であり、忙しくも充実したあっという間の1年でした。この経験が女子医大での重症心不全診療にいきていることは言うまでもありませんが、まったくゆかりのない土地で、大学病院から市中病院という仕事環境変化や、医者としても育ってきた環境が全く違う同僚たちとの仕事は新鮮であり、臨床以外でも学ぶことが多く、貴重な経験が得られたと思いますので、留学というのは人間的にも成長する機会かなとも考えます。
当院の臨床研修の特徴として、症例数が多く、且つ重症度も高いため、既存のガイドラインや学術論文だけでは解決できず、多くの臨床的な疑問や問題に遭遇すると思います。当院自体も全国から国内留学を受け入れている施設ではありますが、不足している分野があったとしても、それを学ぶことに専念できるよう配慮していただける理解とマンパワーが当医局にはあると思います。そして、最終的には新たな知見が女子医大に還元されることになり、こういった慣習が、医局全体の向上心に繋がっているものと感じています。
最後に本留学を支持、後押ししていただいた教授、諸先生方に改めて感謝申し上げます。
(2011年7月~2012年3月、国立病院機構岡山医療センター)
私は東日本大震災の影響が冷めやらぬ2011年7月から2012年3月まで岡山県岡山市にある岡山医療センターに国内留学させていただきました。女子医大では重症心不全や睡眠時無呼吸症の診療に携わっていましたが、心不全は左心系のみで語られることが多く、本来左心と同様に右心系や肺循環は非常に重要なはずですが、分からないことも多く、それに着目した論文もほとんどありませんでした。同時期に重症肺高血圧症例を苦労しながら治療した経験から、右心系や肺循環を理解すれば、重症心不全治療をよりよくできるのではないかと考えていました。海外含めた留学を模索していましたが、そのような観点から血行動態を語れる先生がなかなか見つからず、その頃、肺高血圧症の世界的権威である岡山医療センターの松原広己先生の講演を拝聴する機会があり、純粋に肺循環や右心が悪い症例の臨床や研究に携わりたいと考え、翌年から国内留学させていただきました。
岡山では世の中にこんなに肺高血圧症がいるのかというほど患者さんを診させていただき、また、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療も飛躍的に症例数と成績が伸びた時期であり、忙しくも充実したあっという間の1年でした。この経験が女子医大での重症心不全診療にいきていることは言うまでもありませんが、まったくゆかりのない土地で、大学病院から市中病院という仕事環境変化や、医者としても育ってきた環境が全く違う同僚たちとの仕事は新鮮であり、臨床以外でも学ぶことが多く、貴重な経験が得られたと思いますので、留学というのは人間的にも成長する機会かなとも考えます。
当院の臨床研修の特徴として、症例数が多く、且つ重症度も高いため、既存のガイドラインや学術論文だけでは解決できず、多くの臨床的な疑問や問題に遭遇すると思います。当院自体も全国から国内留学を受け入れている施設ではありますが、不足している分野があったとしても、それを学ぶことに専念できるよう配慮していただける理解とマンパワーが当医局にはあると思います。そして、最終的には新たな知見が女子医大に還元されることになり、こういった慣習が、医局全体の向上心に繋がっているものと感じています。
最後に本留学を支持、後押ししていただいた教授、諸先生方に改めて感謝申し上げます。
吉澤佐恵子
留学先:Columbia University, Department of Pathology and Cell Biology (アメリカ)
アメリカのColumbia University, Department of Pathology and Cell Biologyにて、心血管病理ご専門のProf.Marboeのもと、約2年間学ばせて頂きました。心移植後拒絶反応の病理診断を学ぶことが留学の目的でしたが、同病院では年間約80例の心移植を行っており、約3000例の病理診断に携わる貴重な機会を得ました。また、臨床病理学的研究を行い、その成果をいくつかの論文にまとめることができました。女子医大は心臓移植実施施設であり、留学で得た知識や経験、人脈が、現在の診療にも大いに生かされています。
東京女子医科大学 循環器内科 医局長 南 雄一郎
TEL | 03-3353-8111(内線23110) |
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FAX | 03-3356-0441 |
meditop.au@twmu.ac.jp | |
所在地 | 東京都新宿区河田町8-1 |
見学、ご相談は随時行っております。当科での後期臨床研修を考えておられる先生方は是非ご連絡ください。